蓄電池の導入は、電気代を削減しながら停電時にも電力を確保できる頼れる存在です。しかし、高額な初期費用や設置場所の確保といったデメリットもあるため、慎重な判断が必要です。本記事では、蓄電池のメリット・デメリットを徹底解説し、太陽光発電との相乗効果や補助金を活用した費用対策、導入後に後悔しないための注意点まで詳しくお伝えします。目次蓄電池のメリット引用元:photoAC蓄電池を導入するメリットは、主に以下の3つです。電気代削減効果停電・災害時の電力確保太陽光発電の自家消費率向上それぞれ詳しく見ていきましょう。メリット①:電気代削減効果蓄電池導入の大きなメリットは、電気代を大幅に削減できる可能性があることです。太陽光発電と組み合わせることで、発電した電力を自家消費に回せるため、電力会社から購入する電力量を減らせます。特に、電気料金が高い時間帯に蓄電池から電力供給することで、効果的に電気代を削減できます。近年、電気料金は高騰傾向にあり、今後も上昇が見込まれるでしょう。例えば、東京電力の従量電灯Bプランでは、2023年6月の電気料金単価は約35円/kWhでしたが、今後さらに値上がりする可能性があります。一方、太陽光発電の余剰電力売電価格は年々低下しており、2023年度のFIT価格は16円/kWh、卒FIT後の売電価格は7~9円/kWh程度です。このような状況から、「売る」よりも「使う」方が経済的メリットが大きくなっているのです。メリット②:停電・災害時の電力確保蓄電池は、停電や災害時でも電力供給を可能にし、安心・安全な生活を支えます。蓄電池に貯めた電力を活用することで、停電時でも一定時間、電化製品を使用できるからです。特に、近年多発する自然災害への備えとして、蓄電池の重要性が高まっています。特に、小さなお子様や高齢者がいる家庭、在宅医療機器を使用している家庭では、停電は深刻な問題です。蓄電池があれば、停電時でも冷蔵庫で食料を保存したり、照明で室内を明るくしたり、エアコンで室温を調整したりすることが可能です。蓄電池の容量や停電時に使用したい電化製品の種類によって異なりますが、数時間から数日間の電力供給ができる点は防災の安心材料になるでしょう。メリット③:太陽光発電の自家消費率向上蓄電池は、太陽光発電と組み合わせることで、発電した電力の自家消費率を大幅に向上させます。太陽光発電は、発電した電力をその場で消費する「同時使用」が基本ですが、蓄電池があれば、発電した電力を貯めておき、後で使うことができるため、自家消費率が高まります。太陽光発電は、日中に発電した電力をその場で消費するのが基本です。しかし、日中は外出していることが多く、発電した電力を使い切れない場合もあります。余った電力は電力会社に売電できますが、近年、売電価格は低下傾向にあり、経済的メリットは小さくなっています。蓄電池を導入すれば、日中に発電して余った電力を蓄電池に貯めておくことが可能です。夜間や早朝など、太陽光発電が発電できない時間帯にも利用できます。蓄電池導入のデメリット引用元:photoAC蓄電池には多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。主なデメリットは、以下の3つです。高額な初期費用蓄電池の寿命と劣化蓄電池の寿命と劣化それぞれ詳しく見ていきましょう。デメリット①:高額な初期費用蓄電池導入の最大のデメリットは、初期費用が高額であることです。蓄電池本体の価格に加え、設置工事費用がかかるため、導入にはまとまった資金が必要です。蓄電池の初期費用は、製品の種類や容量によって異なりますが、一般的に80万円から200万円程度が相場です。さらに、設置工事費用として20万円から30万円程度が必要です。これは、一般的な家庭にとって大きな負担となる金額です。導入を検討する際には、初期費用だけでなく、ランニングコストや経済的メリットを総合的に考慮し、費用対効果を慎重に判断する必要があります。ただし、近年は国や自治体が補助金制度を設けている場合があり、これらを活用することで初期費用を抑えられる可能性があります。デメリット②:蓄電池の寿命と劣化蓄電池には寿命があり、使用年数や充放電回数に応じて劣化し、蓄電容量が減少します。蓄電池は、充放電を繰り返すことで徐々に劣化し、性能が低下するため、永久には使用できません。現在、家庭用蓄電池の主流であるリチウムイオン蓄電池の寿命は、一般的に10年から15年程度、または規定の充放電回数(サイクル数)が定められており、残量0からフル充電を1サイクルとカウントしています。ただし、使用環境や使用方法によって寿命は大きく変わります。例えば、高温環境での使用や過充電・過放電を繰り返すと、劣化が早まる可能性がある点には注意が必要です。蓄電池を導入する際には、寿命や劣化による性能低下を考慮し、将来的な交換費用も視野に入れておく必要があります。デメリット③:設置スペースの確保蓄電池の設置には、一定のスペースが必要であり、設置場所の確保が課題となる場合があります。家庭用蓄電池のサイズは、製品によって異なりますが、エアコンの室外機程度の大きさのものが多いです。例えば、幅80cm、奥行き30cm、高さ120cm程度のスペースが必要になります。また、重量も100kgを超える製品が多いため、設置場所には十分な強度が必要です。さらに、蓄電池は精密機器であるため、直射日光や雨風、高温多湿を避け、通気性の良い場所に設置する必要があります。これらの条件を満たす設置場所を確保できない場合、導入が難しい場合があります。特に、都市部の住宅やマンションでは、設置スペースの確保が課題となることが多いです。蓄電池の費用と投資回収シミュレーション引用元:photoAC蓄電池の導入を検討する際には、初期費用だけでなく、ランニングコストや投資回収年数も重要な判断基準となります。初期費用は、蓄電池の容量や機能、設置工事費によって大きく異なります。また、メンテナンス費用は、メーカー保証期間内であれば無料の場合が多いですが、保証期間終了後は費用が発生する可能性があります。投資回収年数は、「初期費用 ÷ 年間の電気代削減額」で算出でき、太陽光発電の発電量や電気料金プランなどによって変動します。蓄電池の初期費用の相場蓄電池の初期費用の相場は、蓄電池の容量や機能、設置工事費によって異なり、一般的には80万円から200万円程度です。蓄電池本体の価格は、容量(kWh)あたり約14万円が相場とされています。例えば、容量が4kWhの蓄電池は約80万円、10kWhの場合は約140万円が目安となります。また、設置工事費は、約20万円から30万円が一般的です。これらの合計金額である80万~200万円程度が、蓄電池設置にかかる費用の相場となります。また、経済産業省の資料では、家庭用蓄電池の目標価格を容量(kWh)あたり14.1万円としており、補助金を受ける条件として、この目標価格以下に抑える必要があります。参考:令和5年度補正 家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業|一般社団法人環境共創イニシアチブ(経済産業省執行団体)蓄電池のメンテナンス費用蓄電池のメンテナンス費用は、メーカー保証期間内であれば無料の場合が多いですが、保証期間終了後は数万円程度の費用がかかる可能性があります。蓄電池は、ゴミやほこりの清掃など、日常的な手入れは必要ですが、定期検査は法的に義務付けられていません。しかし、長期間使用する場合は、メーカーによる点検を受けることが推奨されており、その際には費用が発生します。頻度は月に1回程度が目安です。メーカーによる定期メンテナンスの費用は、保証期間内であれば無料の場合が多いですが、保証期間終了後は数万円程度かかる可能性があります。また、修理や部品交換が必要な場合は、さらに費用がかかるでしょう。蓄電池の投資回収年数の計算方法蓄電池の投資回収年数は、「初期費用 ÷ 年間の電気代削減額」で算出できます。蓄電池導入による経済的メリットは、主に電気代削減効果です。初期費用を年間の電気代削減額で割ることで、投資回収までにかかる年数を計算できます。例えば、初期費用が150万円、年間の電気代削減額が10万円の場合、投資回収年数は「150万円 ÷ 10万円 = 15年」となります。ただし、この計算はあくまでも目安であり、実際には、太陽光発電の発電量、電気料金プラン、電力消費量、売電価格、補助金の有無など、様々な要因によって変動します。正確な投資回収年数を算出するためには、個別のシミュレーションが必要です。蓄電池のメリット・デメリットについてご覧になっている方は、こちらの記事も読んでいます。もしよければご覧ください。蓄電池の種類と選び方|特徴を理解して最適な蓄電池を見つけよう蓄電池を設置するのが得意なおすすめの施工会社引用元:photoACここまで、蓄電池のメリット・デメリットと費用回収について紹介してきましたが、いかがでしたか?最後に、蓄電池の導入を検討してる方に向けて、当メディア注目エリアの千葉県・埼玉県でおすすめの施工会社をご紹介します。1.株式会社エーピーシーメンテナンス引用元:株式会社エーピーシーメンテナンス公式HP会社名株式会社 エーピーシーメンテナンス本社所在地〒299-0111千葉県市原市姉崎1188-3-2電話番号0436-67-1617創業2004年事業内容住環境事業、太陽光発電システム、蓄電池、オール電化、公共事業、電気設備工事、給排水設備工事公式サイトURLhttps://www.apc-maintenance.com/株式会社エーピーシーメンテナンスは、環境に配慮したエネルギーソリューションを提供する企業です。特に、蓄電池の分野に注力しており、個人のお客様から、法人や地方自治体まで、幅広いニーズに対応した最適な蓄電池システムの提案、販売、施工、保守管理サービスを一貫して提供しています。確かな技術力で施工されるシステムの品質に定評があり、太陽光発電システムと組み合わせた蓄電池の導入実績も豊富です。お客様のエネルギーコスト削減と、非常用電源としての活用を見据え、専門スタッフが最適なプランを設計します。もっと詳しく株式会社エーピーシーメンテナンスについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。エーピーシーメンテナンスの会社概要や強みと取り扱い製品も紹介 株式会社エーピーシーメンテナンスでの設置がおすすめな人特に、下記のような方には非常におすすめだと言えるでしょう。蓄電池の導入が初めての方ワンストップのサービスを求める方太陽光との組み合わせを検討している方オール電化への切り替えも考えている方エーピーシーメンテナンスでの太陽光発電パネルの設置が気になった方は、ぜひ一度公式サイトを覗いてみてはいかがでしょうか。【クリック】エーピーシーメンテナンスの公式サイトを覗いてみる2.株式会社日本エコシステム引用元:株式会社日本エコシステム公式HP会社名株式会社日本エコシステム本社所在地〒279-0002千葉県浦安市北栄4-8-3 コムシス浦安ビル4F電話番号0859-34-3111創業1997年5月事業内容太陽光発電システム、蓄電池、オール電化V2H等の販売・取付工事、左記に付帯する一切の業務、電力小売事業公式サイトURLhttps://www.j-ecosystem.co.jp/日本エコシステムは、創業25年以上の歴史を持つ太陽光発電のリーディングカンパニーで、既築住宅46,000棟以上の施工実績を誇ります。気象衛星ひまわりのデータを活用した高精度な発電シミュレーションと独自の見積システムにより、最適な太陽光発電システムを提案可能です。全国14ヶ所の拠点を通じて、シャープや京セラなど多様なメーカーの製品を取り扱い、設置後の迅速なアフターサービスも提供しています。もっと詳しく日本エコシステムについて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。株式会社日本エコシステムの会社概要や強みと取り扱い製品も紹介まとめ引用元:photoAC蓄電池は電気代削減や停電対策といったメリットがある一方で、高額な初期費用や寿命などのデメリットも存在します。高額な初期費用も、費用回収シミュレーションを参考にすれば、決して手の届かないものではないということが分かります。本記事で紹介した内容を踏まえ、蓄電池の導入がご家庭に適しているかをしっかり検討しましょう。この記事を読んだ方はこんな記事もご覧になっています。もしよければご覧ください。蓄電池の耐用年数ってどれくらい?寿命を延ばす方法と選び方のポイント